第3章 〜特別〜
「えぇ…これぐらい、同じ隊長格ならどうにかなるでしょ?」
冬獅郎に向けて愚痴れば、側の液体から声が響いた。
「何だネ、その言い草は!私を馬鹿にしているのかネ?!」
「あ、そっか。マユリさん、戻して欲しい?」
「君に借りなど作りたくないヨ!全く…今度あったら実験体にしてやるからネ!」
「あは。出来るものなら、やってみて」
「馬鹿にするのも大概にしないかネ!全く、失礼するヨ」
そんな言葉と共に、するすると部屋の隙間から抜け出ていく緑の液体。
結界で消滅したら可哀想だから、ちゃんと解いてあげた。
それを厳しい目で見送る白哉を横目に、序でで巨軀に手を翳す。
「”癒しの光”」
黒焦げで棒立ちの更木を治療して。
「総隊長。懲りたよね?」
にっこりとお爺ちゃんに笑いかけると。
斬魄刀を鞘に収めながら、溜息を吐いた彼はしかし、重々しく頷いた。
序でに、隊長クラスより下の死神には、色々内緒だよ?と言い含めて。
気絶した砕蜂を卯ノ花さんに預けると、私は一番隊隊主室を後にした。