第11章 〜予兆〜
冬獅郎が仕事に戻り、私はルキアと一護と少し話をした後、夜に戻ると白哉を説き伏せて、一人四番隊総合救護詰所へ向かっていた。
重傷患者が居れば手伝いでもしようかと考えて。
否、若しかしたら、一人になりたかったのかもしれない。
どうしてか、少しだけ、喧騒から離れたかった。
壁に背を預けて目を閉じると、此方に近付いてくる霊圧を感じた。
それで、無意識の行動に納得する。
この霊圧が持ってくるであろう話を、人に聞かれたくなかったのだ。
「四楓院夜一、だっけ」
「よく知って居るの。調停者殿」
現れた紫色の髪と瞳の女性は、にやりと高圧的に笑っていた。
「で、何の用ですか?元総司令官様」
「止めい。別にお主の敵になろうと言うのではない」
私が言葉に含めた棘に眉根を寄せて、溜息を吐く彼女は、元二番隊の隊長であり、隠密機動の総司令官。
そして、砕蜂の主人だった女性。