第5章 〜遊戯〜
未だ外に持ち出したテーブルの前でお茶を飲んでいた冬獅郎は、少なくなった霊圧を探り、空を見上げた。
時は開始から一刻半。
—そろそろ動いとかねぇと、後で総隊長にどやされるしな…
一つ溜息を吐いて、ちらりと乱菊を見遣る。
昼間から酒を持ち出して、そこらの隊士を巻き込み、呑んだくれていた副官が、もう戦闘に赴くのは不可能だと察し。
氷輪丸を片手に、徐ろに立ち上がる。
「あれぇ、隊長〜、行くんですかぁ?」
「…お前は其処に居ろ」
「えぇ〜連れてってくださいよぉ〜」
酔った勢いで食いさがる乱菊を無視し、玲の霊圧を探る。
そう遠くないところで一つ発見してそちらへ足を向けた。
心の中で、本物でない事を祈りながら。