第5章 〜遊戯〜
暫くして。四番隊救護室。
卯ノ花と勇音は運ばれて来た面々に表情を硬くしていた。
意識を失った斑目と綾瀬川。
同じく傷だらけで昏倒している砕蜂。
血塗れの更木。
大きな裂傷を刻まれた京楽と、気絶している伊勢。
不思議なのは、彼等を例外無く虹色の膜が覆い、どう見ても処置が必要な傷にも関わらず、
「なんだ、お前もやられたのか」
「君だって傷だらけじゃ無いの。にしても、死者は出さないって本気だったんだねぇ、あの子」
ピンピンして呑気に会話をしている事で。
「血が止まってるな」
「まぁ、動こうとすると凄く痛いから、これ以上は無理だけどねぇ」
恐らく致命傷を避けたのだろう傷を見ると、今敵対している彼女が加減している事は考えるまでも無く。
卯ノ花が処置を試みようにも、この虹の膜は回道すらも跳ね返してしまう様で。