第4章 オセロ(アレン夢)
最早神田がどうこうというより、アレンの豹変ぶりに驚いたし、ショックだった。
いつも、笑っていて。
いつも、よく食べて。
いつも、紳士的で。
いつも、仲間想いなアレン。
私の中の無邪気なアレンのイメージは消えて無くなった。
どうしたらいいか分からないが、私にはこのアレンを受け入れる程の器量は無かった。
「シュリ。」
突然アレンに声をかけられ、心臓が飛び出そうになった。
「なに…?」
私はアレンに背を向けたまま返事をした。
「愛してます。シュリを誰にも取られたくないんです。」
アレンは私を後ろから抱きしめた。
これがアレンの愛し方なのかもしれないが、私はどうしても受け入れられなかった。
「ごめん、アレン…やっぱり私には受け入れられないよ。」
「…そうですか。シュリ、こっち向いて下さい。」
言われるがままにアレンの方を向くと、いきなり両手で首を掴まれた。
「シュリの意思は関係無いって言いましたよね?」
アレンは少しずつ手に力を込めた。
「それでも僕から離れようとするなら…死んで下さい。僕が殺してあげますから。」
段々と息ができなくなり、苦しくてアレンの手首を掴んだ。
「アレ…ン…。」
「最後にもう一度だけ聞きますね。僕だけのモノになってくれますか?」
狂ってる。
こんな愛し方は間違ってる。
今ここで私が頷いたら、アレンはこの愛し方を正しいと思い続けてしまうだろう。
人の気持ちを力付くで手に入れようなんて、間違ってるんだよ。アレン。