第3章 記録にしないで(ラビ夢)
初任務の地はフランスだった。
任務は至ってシンプルだった。
いくつかのイノセンスを所持したアクマがいるため、そのイノセンスが千年伯爵の手に渡る前に回収すること。
調査に出たファインダー三人の内二人は殺されたらしい。
アクマは、オレ達イノセンス適合者にしか倒せないというのだから厄介だ。
オレ達はアクマを探す事から始めた。
しかし、辺りには人間しかいない。
「人間に紛れてるのかしら。厄介ね。」
「気をつけながら行くさ。」
それは、一瞬の出来事だった。
通りすがりの人間に、シュリが思いきり投げ飛ばされたのだ。
「シュリ!!」
そいつは人間ではなく、アクマだった。
容姿を変形させ、不気味な笑い声を上げている。
「エクソシストだね?」
…ここは人通りが多い。
なるべく一般人を巻き込まないために、オレはシュリが投げ飛ばされた方へアクマを誘き寄せた。