第24章 いっそ突き放してくれたら良いのにと、云う我侭
そうして僕たちは日々を生きて行くのだ。
Ep-24:いっそ突き放してくれたら良いのにと、云う我侭
「よぉ、風間いるか?」
良く晴れた日。
不知火がいつものように天霧と共に現れた。
綾女は朝御飯を作っていたらしく、お玉を持って顔を出す。
「あ、いらっしゃい。千景?多分庭で北斗に餌やってると思うんだけど。」
そう言えば、丁度空の皿を持って千景が姿を現す。
「綾女。まだか。腹が減った――。――何だ、朝っぱらから?」
二人の顔を見れば、千景の顔が歪む。
その様子に、天霧と不知火は苦笑した。
「朝から申し訳ない。少し話があるんですが、よろしいか?」
「宜しくないと言っても話すんだろうが。飯の後にしろ。」
その言葉に、綾女が皿を受け取りながら言う。
「もう出来るよ。し~ちゃんと天霧さんも食べる?」
「あぁ、貰う!」
間を空けずに答える不知火に、千景はため息をついた。
「で?何だ?」
食事を終わらせれば、千景は面倒臭そうに問い掛ける。
「――新撰組のことなのですが。」
天霧が一旦そこで区切って綾女を見れば、綾女は席を立とうとする。
だがそれは千景の手に寄って、阻まれてしまった。
「千景?」
「必要ない。ここで聞いてろ。天霧、そのまま話せ。」
その様子に天霧はため息をつくと、話を始めた。
「新撰組が分裂しました。局長は捕縛。原田と永倉は隊を離れたと聞いています。」
少しだけ人間界と距離を置いていた間に、情勢は随分と悪化したらしい。