第17章 舞踏
彼等と別れた後、レイジは機嫌が悪そうに口を開いた
「全く....彼等も相変わらずですね」
「まぁ、仕方無いでしょう。彼等にとって夜会なんてどうでもいい事でしょうから」
2人の言葉に私は疑問を抱いた
その様子に気付いたのか、ライトは私の顔をのぞき込む
「教えてあげよっか、レナ♪」
「うん....」
「無神さんところはね、元々貴族じゃないんだよ
あの人達はそうだな....王の番犬っていったところかな
こうゆう夜会では必ず揉め事やら、招待客じゃない人が紛れ込んでる
それを処理するのが彼等の役目
その中でも彼等は特別優秀で、父上のお気に入りなのさ」
王の番犬....
そういえば、ユーマくんが前に自分達は貴族じゃないと言っていた....
貴族でも庶民でもない
これはそうゆうことだったのか
「流石ライト。完璧な説明です
彼等に一番お世話になっているだけの事はありますね」
レイジは呆れ顔を向ける
「んふっ♪お褒めの言葉ありがとレイジ」
ライトは夜会のたびに手当り次第の女性に手を出しているそうで、常連のようなものらしい
「まぁ....貴方も彼等の事はあまり信用しない方がいいですよ」
「えっ....」
レイジは彼等の後ろ姿を睨むように見る
「彼等は父上の命ならば何だってするような人達です
もし、命が下れば我々も貴方も....
自らの命でさえも殺してしまうでしょうから」
レイジは冷たく言い放つ
私はその言葉に悪寒が走った
あのみんなの優しさは偽物なのか
しかし、私はそうは思えなかった
いや....王の番犬である彼等こそが偽りの仮面を被った姿であってほしい
これは私の願望なのかな....