第16章 夜会
「ルキくん....」
会場へ入ってきたのは無神家の人達だった
彼等も正装に着替えておりいつもと雰囲気が違う
「あれー?無神さん随分遅かったんだね」
ライトは後ろからレナとルキを見て不敵な笑みを浮べる
「なんですかライト」
「うんん、なんでもないよ♪」
レイジは呆れたようにため息をつく
「お久しぶりですね。無神ルキ。
先日はどうもレナがお世話になりました」
その言葉にルキは鋭い目を向ける
レイジはやれやれといった具合に顔をしかめた
なんだか、いつもと様子の違うルキに動揺する
しかし、それはルキだけでなく後ろにいる3人もどこか冷めた目をしていた
けれど、私はどうしてもお礼が言いたくて口を開く
「あ、あのルキくん....この間は....ーーー
私が言葉を言い終わる前に彼は重ねるように
声を出す
「本日はご招待頂きありがとうございます
""レナお嬢様""」
「っ....」
ルキは頭を下げ、一礼する
丁寧であるが、どこか冷たい言葉....
まるで一線を引いたように話す彼にどこか虚しさと寂しさを感じた
"お嬢様"....ただ1度こう呼ばれただけなのに
もう2度と"レナ"と呼んではもらえない気さえした
聞きなれた言葉でも彼に言われるとこうも違って聞こえるのかと私の心は穴が空いたように切なかった
華やかな音楽に煌びやかな服装
眩しい光の指すシャンデリアの下
2人は再会したーーーー