第11章 甘美

「出来たぞ」

美味しそうな匂いと共に私の前に置かれた皿には、いちご風味をきかせたワッフルが乗っていた

「美味しそう！」

レナは子供のようにきらきらと目を輝かせる

それを見て、ルキはふっと笑った

「温かいうちにはやく食べろ」


そう言われて、早速フォークに手を伸ばす

「いただきます」

私は食べやすいサイズに切って口に運ぶ

「どうだ？」

「....美味しい」

口の中で生クリームといちごが混ざり合い丁度よく溶け合う

私の口に残っていた辛味はすっかり消え、甘さでいっぱいになる

「すごいねルキくん。本当に美味しいよ」

レナはパクパクと口に入れていく

ふと横を見ると

「ふっ」

ルキはワッフルを食べ進めるレナをじっと見ていた

私は恥ずかしくなり、手を止める

「どうした？まだ残っているぞ」

ルキくんは意地悪に少し微笑しながら言ってくる

「そんなに、見られたら食べにくいよ//」

レナは顔を赤くする

「あぁ。すまない。
必死に食べるお前が、口いっぱいに頬張るリスのようだと思ってな」

「なっ!!?////」

ルキくんの冗談に私の顔はますます赤くなる

しかし、それ以上にルキくんの初めて見る優しい微笑みに私は見とれてしまった

（ルキくん....こんな顔もするんだ....）

それは嘘も偽りもない綺麗な笑顔だった