第7章 来訪
「んっ....」
私が目を覚ますと、外は既に暗くなっていた
今度は妙な声も聞こえず、ぐっすりと休めた
横にはルキくんが座っていた椅子がある
最後に見た彼の顔が頭に浮かぶ
不思議と彼の事を考えると心が安らいだ
私は立ち上がり、鏡の前で自分を見る
側の櫛を取って私は髪をとく
なにが、お嬢様だ....
結局私は、みんなに甘えてばかりじゃないか....
レナは自分の腕を強く抑え、その場にへたれ込む
彼女の頭の中は色々な事が起こり過ぎて、混乱していた
「どうしちゃったんだろ…私....」
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【ラルク家】
深い森の中には、ある大きな屋敷が建っており
その屋敷には不穏な空気と、絶えることのない血の香りが充満している
また、その屋敷の一室からは血を啜る音が響き渡っていた
バタッ…
「チッ....不味い。早く新しい餌を持ってこい」
椅子に座る1人の男....
男に血を吸われた女が何人も、外に運び出される
彼女達の体には夜崎の紋章が刻まれていた
その男は口についた血を舐めとる
月夜に照らされた彼の顔は
赤い髪を首元まで伸ばし、コウモリの様に赤い目と鋭い牙....
まるで、血に飢えた悪魔....
「やはり....そこらの安い餌ではこの程度か....」
彼の体からは凄い魔力が感じられる
「夜崎の長達はどうした?」
「部下達を連れ、撤退した模様です」
報告を聞き、男は不適に笑う
「まぁ、奴等も力の差を知っただろうな」
男は鏡越しに紅い月を見上げる
「夜崎レナ....
記憶で見たあの女....」
彼は舌なめずりをする
ーー早く、俺の元へ来い