第6章 籠の中
ーーーごめんなさい....
だれの声....?なんで、謝ってるの…?
頭の中に何度も何度も謝罪の言葉が響く
ーーー貴女だけは....
『おい!!』
「ッ!!」
聞きなれた声が私の目を覚まさせる
目を開けると、天井に吊るされたシャンデリアが私の目を刺激する
「大丈夫か?」
隣を見ると、傍の椅子にルキくんが座っていた
私はうなされていたようで、首元には汗が滲んでいた
「ルキくん....」
起き上がろうとするが、頭が痛くて、くらくらする
「無理に起きなくていい」
ルキくんは私を横になるよう肩に手を当てる
私はそのまま、身を委ねる
あまり気持ちを顔に表さないだろう彼の表情が、今は少し怖いような気がした
彼にはすごい迷惑をかけてるなと反省する
そして、先程頭に流れ込んできた言葉を思い出す
私はぎゅっとシーツを握りしめる
「ルキくん....私....」
どうにか、彼に説明しようと考えてみるが…
言葉が出てこない
それに....思い出そうとすると何かに止められるように、頭が痛くなった
「なんで....ッ....」
ルキは頭を抱えるレナを見て
手で彼女の目を覆い隠す
「ッ!!」
不思議と私はその手に温もりを感じ、目を閉じた
「お前は....何も知らなくていい....」
手を離すと彼女は規則正しく寝息をたて、眠りについていた
ルキはその手を強く握りしめる
「今更…なぜ....ッ」