第4章 出会い
シュウの牙が、傷一つないレナの首元に近付く
このまま、彼に血を吸われて彼に力を与えてもいい
お父様もそれを望んでいる
私が生きる理由なんて....
でも一瞬、昔から一緒に居た、みんなの姿が浮かぶ....
楽しかった....偽りだとしても彼等と過ごした日々は1人でいるより、ずっとーーー
でも....もし、今シュウに血を吸われたら....きっともう戻れない....
ドンッ!
「痛っ....」
そう考えると、私は咄嗟にシュウの体を突き放していた
彼は驚いた様子で私を見る
やってしまった....そう思ったが、もう後戻りは出来ない
私はそのまま、部屋の外へ飛び出し、玄関の外へ走った
私を呼ぶシュウの声がしたが、私は振り返らずに家の門を潜り、森の中へ姿をくらました