第28章 幸福
「でも、まさかあんだけ追い詰めてたルキがな」
アヤトは以前の屋敷での一件を思い出す
正直、ルキはこの屋敷を離れると思っていた
それほどまでにレナの血は強力で、記憶を失った彼女と居るのは耐え難い苦痛だったはずだ
「分かり合えたみたい…2人とも今とっても幸せそうだよ」
いつも傍で2人を見ている無神兄弟は嬉しそうに顔を見合わせる
「ところで王様とレイジくんは?まさか来ないわけないよね?」
「知らねぇ、どーせギリギリに来るんじゃねーの?」
王様はやはり忙しいらしく、アヤト達もあまり会っていない様子だった
すると使用人がコウ達に近寄り耳打ちをする
「お!そろそろか。お前ら、せっかくの式なんだ。大人しくしとけよな」
ユーマはアヤト達に念を押し、準備に向かう
「さぁ、王子様とお姫様は準備できたかなー?」