第24章 喪失
恐怖に包まれた夜会が終わると同時に、魔界で起こっていた戦争も次々と鎮圧されていった
主犯とされていた、デニス=ラルクは逆巻家の監視下に置かれ、夜崎家は長男である夜崎レンが統治する事となった
また、あらゆる問題を起こした夜崎祥匙については闇に葬られる事となり、多くを知る者は一部の存在だけになった
逆巻家では、カールハインツは王の座を息子のシュウに譲った
彼の新しい政策により、2ヶ月後には、魔界は驚くほどの安定を取り戻した
ーーー逆巻家ーーー
「すみませんが、そこの貴方。
この資料を今すぐに全部の同盟家に送ってください
あぁ、シュウからの執筆を忘れずに」
逆巻家では多くの人が出入りし、落ち着かない様子だった
レイジはシュウの補佐となり、毎日休むこと無く働いている
一方、その王様は....
「だる....」
相変わらずの様子で眼鏡をつけたまま、机の上に倒れていた
しかし、机の上にはサインした多くの書類が置いてある
何だかんだ言って、仕事の早い彼に取り巻き達も関心している
「シュウ!まだ寝ないでくださいよ!
まだまだ、書類は残っているので....!!」
ドンッ!
机の上に大量の書類が乗せられる
「げっ....」
シュウが酷くうなだれていると、部屋にノックの音が響く
「入れ」
ガチャ....
『失礼する
各代表への話をつけてきた。全ての加盟家が問題を修正すると共に計画に協力するとのことだ』
黒いスーツを身にまとい現れたのはルキだった
彼に手渡された各代表のサインを見て、レイジは納得したように頷く
「流石ですね。ずっと父上の参謀をしていただけの事はある」
シュウは体を起きあげ、眼鏡を外す
「忙しいのに、悪いな。まだ、この家には交渉をやってのける人材が足りてない」
逆巻の人員不足は深刻で、無神兄弟も魔界の平穏の為に協力している
アヤト達も交渉は無理でも、紛争やら暴動の始末にかり出されている
「構わない。元々これが俺の役目だったしな。」
ルキはそう言うが、彼の事情を知る2人は少し申し訳ないような気がしていた
シュウは少し言いにくそうに口を開く
「...."レナ"は大丈夫か?」
「っ....」
ルキの顔色が苦しげに変わる