第21章 反逆
ーーーーーなにが....起こった....?
目の前のヴァンパイア共は驚きの目で俺を見てくる
気づくと自分の胸からは大量の血が流れていた
体が....重い....
布石は先にうたれていた....ということか....
デニスはそのまま、その場に倒れたーーー
「デニス!!」
レナはデニスに近づく
彼の胸は銀の弾丸によって侵食されていた
「まじかよ....」
アヤト達も突然の事に動揺する
「ぐっ....!!」
苦しむデニス....
このままでは取り返しのつかない事になる
「ッ....おい....」
「っ!」
デニスは必死に声を出す
「に、げろ....」
「えッ....?」
そうデニスが言ったと同時に、私は誰かの気配を感じ、恐る恐る振り返る
『レナ』
「「!」」
圧倒的な存在感、恐ろしく惹き付けられる鋭い瞳....
「ッ...."お父様"....」
一瞬のうちにレナの背後に現れたのは彼女の父、夜崎祥匙だった
「久しぶりだな。
少し見ないうちに、大きくなった」
「っ....どうして....」
優しい声色にひどく動揺する
「よく家を守った」
祥匙の手がレナに伸びる....
離れなくてはと思っていても体は全く動かない....
しかし....
「レナ!」
ーーーーーキンッ!!
剣が祥匙の服を掠める
「ルキ....」
ルキはレナを守るように剣を祥匙に向ける
思わず私は震える手でルキの服を掴む
「お前も久しいなルキ」
祥匙はその場に落ちている剣を拾う
「....ッ....夜崎....祥匙....ッ!!」
倒れていたデニスが胸を抑え、立ち上がろうとする
「あぁ。お前にも再び会えて嬉しいぞ。デニス=ラルク」
思ってもいない事を口にする祥匙にデニスは歯を食い縛る
「どうせ、デニスを狙ったのもお前の指示だろう」
「!」
「ふっ....
デニス....お前はよくぞここまでこの世界を壊してくれた」
「なんだと....!!」
祥匙は不敵に微笑む
「貴様は素晴らしい私の駒だった…」
血のように紅い月と祥匙の瞳が重なるーーーー
『カールハインツを倒す....ためのな』