第1章 初恋のキミ
坂ノ下商店前で澤村先輩に肉まんをおごってもらいながら。
で・・・問題の練習試合の相手。青城か・・・。
菅原先輩にも言われたけど、北川第一の面々が多く進む学校。確かに・・・。飛雄は、やりづらくはないって言ったけど。
『トビオちゃん、どーしよう?!』
「何がだ?」
『青城ってことは・・・“あの人”がいるんじゃ?!』
「・・・・・」
私が言った“あの人”で飛雄は見当がついたようだ。
「あの人?2人の知り合い?」
「北川第一の?」
「はい・・・」
『う~、会いたくない~』
「別に気にする事ないんじゃないの?」
『月島ぁ~!簡単に言うな!!あの人、ウザイんだよ!!』
「「「(呆然)」」」
「まあ・・・確かに。けど・・・」
「けど・・・?」
「あの人、俺達が1年の時、3年だったし。たかだか、1年間しか一緒じゃなかったから。ましてやマネージャーも1人じゃなかったし、お前のことなんて・・・」
『・・・そう・・・だよね。覚えてないって可能性も!』
そうそう、1年間だけだし、覚えてないよね?!
「・・・多分・・・な」
『多分・・・』
はあっ、覚えていないことを願うしか・・・ないのか・・・。しくしく。
すっごく不安。本当に、私のことは忘れててくれるといいんだけど・・・。
「というか、前島ってなんでそんなに気にしてるの?」
「あ~、例の人、果穂によく絡んで来てたんで。あと、理由は知りませんけど・・・嫌ってるみたいで」
「?北川第一の先輩?」
「はい」
『褒めたくないですけどね~。すっごい人ですよ。まあ、バレーに関しては!』
「えっ?」
『あ~、先輩方!私の呼び方!果穂でいいですよ~?』
「えっ・・・でもっ」
菅原先輩はチラリと飛雄を見る。
「・・・本人がいいって言ってるんで」
「うん。そう、だね。じゃあ、果穂って呼ぶね」
ニコッ
『はぅっ!』
菅原先輩の笑顔!天使ですか?!ときめいた!
「・・・・・」
この後、坂ノ下商店で作戦会議。澤村先輩、菅原先輩、飛雄に私。
流石に、青城のデータは・・・ないですよね~?スタメンぐらい知りたいけど・・・わからないからな~。仕方ない、せめて同中の人で誰が出るか、だけでも国見ちゃんに聞いとこう!私はそう決めた。