第3章 守護神とエース
飛雄は月島に掴みかかろうとする。
『トビオちゃん!』
「っ!」
「へぇ~」
私の一言で飛雄が止まったのを見た西谷先輩は納得したみたいだった。
帰り道、飛雄に送ってもらう。一緒に歩いていると
「・・・後は・・・エースか・・・」
『うん、そーだね。・・・旭さんって人が戻って来てくれるのが1番なのかな?』
「多分な・・・」
そんな風にバレーの話をしながら、帰った。
お昼休み、飛雄が教室にいないな~と思えば、日向に付き合って旭さんに会いに行ってたんだとか。
「バレーが嫌いになったんじゃなければ、戻って来てくれる可能性はある」
と、飛雄は言った。なんとか、来てくれる方法、探さないと、か。
放課後 体育館
武田先生が来た。何かと思えば・・・!
「今年もやるんだよね?GW合宿!」
「あっ、はい。まだまだ練習が足りませんから」
「それで・・・ね。GWの最終日なんだけど」
キラーン、武田先生が眼鏡を輝かせる。
「練習試合組めました~!」
ガッツポーズする先生。
「やるな~!武ちゃん!」
「相手は・・・?」
「うん、東京の古豪・音駒高校。通称・ネコ」
「ネコ?」
日向が首を傾げる。と田中先輩が
「俺達も話だけは聞いててよ。前の監督同士がライバルだったらしくてさ、前はよく遠征とかしてたらしいんだよ」
「ほぉ~」
「そうそう名勝負、猫対烏、ゴミ捨て場の決戦!ってね」
「本当にソレ、名勝負だったんですか?」
『ネコ・・・ねぇ』
「でも、ここしばらく接点は何もなかったハズですよね?」
「うん、そうなんだけど・・・音駒っていう好敵手の存在を知ってどうしても因縁の再戦をしてみたくなったんだ。これで、きっと、彼も動くハズ」
『彼?』
武田先生の様子に何か思惑があるように見えた。