第3章 月夜に舞う花
??『汚ねぇザーメン臭え手で気安く触るな若造共が。その腕切り落としてやろうか?』
先程の上品でお淑やかな雰囲気は微塵もなく、口調も変わっている。
男達を見る目は氷の様に冷たく冷ややかで、まるで汚物でも見る様な目だ。
男3「な…何しやがんだこのクソアマァ!!」
ハッとなり先程カラ松を殴った男が怒声を上げ女に殴りかかってきた。
カラ松「危ない!!」
思わずカラ松が叫んだが、女は男の拳を顔面スレスレで躱すとその腕を掴み、突っ込んできた勢いで男を背負い投げた。
男は公園の外まで飛ばされ、道路の真ん中に落下した。
男が飛ばされた方を見て仲間の男達やカラ松は目を見開く。
??『勢いだけで全然なっちゃいねぇな。オメェらみてーに脳と下半身が直結してる奴は突っ込むしか出来ねぇのかい?』
男1「なっ!お前…いったい何なんだよ!?」
この女が只者ではないと感じた男が叫ぶ。
女は振り返ると男達を見据えて静かに言った。
椿『立花組十二代目組長、立花 辰巳の娘……立花 椿』
男1・2「「!?!?」」
女の名前を聞くと男二人は顔色を変えた。
額からは冷や汗を流し、顔面蒼白でガタガタと震え出す。
男1「こ、この女…あの立花組の…」(大汗
男2「や、ヤベェ!逃げるぞ!!」(大汗
そう叫ぶと男達は気絶した二人を担いで逃げていった。
後に残されたのは男達が去っていった方を見つめる女…椿と椿を呆然と見つめるカラ松。
カラ松「(す…凄い…!!なんてパワフルなガールなんだ……)」
椿『…………』
男達が逃げていった方を暫く見つめていた椿だが、ふいに振り返ってカラ松に目を向けた。
振り返った彼女の目は先程の冷たいものではなく、不安と悲しみを帯びていた。