第2章 キャバ嬢と用心棒
牡丹『ダッサーい』
おそ・チョロ「「!?!?」」
隣から聞こえた牡丹の言葉に二人は耳を疑った。
他の客とキャバ嬢も牡丹の言葉にみんな此方に視線を向ける。
男「あ"ぁ"?おい姉ちゃん…お前、今なんつった?」
牡丹の言葉に反応した男が振り返る。
すると牡丹は立ち上がり、男の方に近づいて行く。
おそ松「ちょっ、牡丹ちゃん!!」
チョロ松「行っちゃダメだって!危ないよ!!」
おそ松とチョロ松は声を掛けるが、牡丹は二人の言葉を無視して男の前まで歩く。
そして男の目の前で足を止め、ハッキリと言った。
牡丹『ダサいって言ったのよ。女泣かせてさ…あーカッコ悪ぅ。てか、アンタ何様のつもり?キャバ嬢は風俗嬢と似た様なもん?黙って腰振っとけ?キャバ嬢だろーが風俗嬢だろーが、みんな生きる為に身体張ってんのよ…。それをアンタみたいなチンピラ…いや、ドサンピンのカス野郎にとやかく言われる筋合いはないんだよッ!!』
臆する事なく正面から言い切った牡丹に、二人は目を見開く。
こんな事を言えば相手を挑発するだけだ。
男「上等だよこのクソアマァ!!テメェのそのキレイな顔面グチャグチャにしてやりゃあ!!」
ブチギレた男が拳を振り上げた。
おそ松「牡丹ちゃん!!」
チョロ「危ない!!」
思わず声を上げるおそ松とチョロ松だが、振り下ろされた男の拳は牡丹には当たらず、顔面スレスレで止まっている。
見ると横から伸びた手の平が男の拳を受け止めていた。
??『オイ、テメェ…うちのNo.1に手ェ出してんじゃねーよ……』
顔は見えないが、黒服に身を包んだガタイの良いその人物は声の高さと胸の出っ張りからしてどうやら女の様だ。
女が拳を受け止めた手に力を入ると、男は顔を顰める。
男「いっ…!テメェ何しやがる!!」
そう言うと男は女に向き直り肩を掴むが、女は男の腕の下を潜り背後に回り込んで肩を掴んでいた手を後ろに回し、足を引っ掛けて転ばし捩じ伏せた。
男「イデデデデデッ!!」
痛みに男は声を上げる。
??『テメェみてーなクズに此処に来る資格はねぇ。次この店に来てみろ、この腕へし折ってやるよ…』
腕を離して解放してやると男は「覚えてろよッ!!」と言って店から出て行った。
女は男の出て行った入り口を一瞥すると此方を振り返った。