第5章 ☆徳川家康☆ ~やきもち~ /完結
二人、真っ赤な顔をして額をくっつける。
『厭らしいな…』
『もうっ』
そう言ってクスクス笑いあう。
もう一度口づけて
『部屋へ行こう? 風邪ひかせたくないから』
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部屋までの道のりを二人手をつないで歩く。
皆がむけてくる綾への好意的な目を俺は、俺自身の自信のなさからずっと不安だった。
綾はこんなにも俺を愛してくれているのに、もっと堂々と愛されていればいいのだと言い聞かせながらその手に力をこめた。
ふいに後ろから
『さっき、夢に三成くんが出てきたの』
―知ってる
さっきの自信が崩れそうになる
『それでね、クスクス…この前 家康と一緒にお茶をいただいたでしょう?
その時…クスクス お、お茶の葉が何故か三成くんの頭にのっかってて…』
『そ、それをいつもと変わらない顔で家康が取ってお茶を入れてくれたじゃない?』
『もぅ、、可笑しくて…。
家康ったら、全然普通なんだもの』
そう言って、綾はさらにクスクス笑いだして家康を慌てさせる人っているのかな~と呟いたのを聞いて
―あんた以外にいない
そう俺は呟いた。