第1章 ☆徳川家康☆ ~幸福な道~ /連載中
『相変わらずややこしい奴だな、家康は』
―はぁ。 ほっといてよ。
『綾は心配するな、そう言いたいのだろう?』
そう言いながら、政宗さんが優しく綾をなだめている。
『そうですよ、綾様は織田軍の大事な方です。 皆で御守り致しますのでご安心ください。』
―三成の奴…
腹の底で未だに感じた事のない炎がついた。
『そうだぞ、綾。お前が案ずることなど一つもない。ただ能天気に笑っていればよい。』
そう光秀さんが綾の頭を撫でたのを見た瞬間、なぜだか無性に腹がたった。
『ともかく、分かったでしょ…』
いつまでもされるがままの綾の肩を自分の方へぐぃっと引っ張り光秀さんから引き離した。