第4章 月日は過ぎて文化祭
『………はぁ』
なんかもう散々だった。怒るってホント疲れる。部屋で布団を引き、その上で寝っ転がった。
カラ「……あ…あや子……その…入ってもいいか?」
『どうぞー。』
カラ「…………あ、あの………その……さっきの事なんだが……」
…………これはほんとに怒りすぎた。カラ兄完璧にビビってるし。
『あー……もう怒ってないよ。というか、ごめんの一言がでたら許そうって思ってたし』
カラ「そ、そうか!…ごめんな」
『いいよ。はい!仲直りね。ぎゅってしてよカラ兄』
カラ「…ああ!もちろんだマイシスター!」
カラ兄はお風呂上りだったようで体がポカポカしてた。まぁ、元々体温が高い人ではあるけど。
『……それにしても珍しいよね。カラ兄が下の兄弟と喧嘩するなんて』
カラ「そうか?」
『うん。いつもはカラ兄が仕方ないなってなって、喧嘩にならないもん。だから今日ビックリしちゃった。』
カラ「フッ。可愛い弟達の希望を叶えてあげるのが兄としての役目だからな。」
『だったらなんで今日は、聞いてあげなかったの?』
カラ「……俺にも譲れないものがあるってことさ。」
『ふーん。それが兄弟喧嘩の原因ってことか。理由を聞いても教えてもらえなかったのって私に知られたくないから?』
カラ「……男には男の考え方があるからな。」
『……ふーん。まっ、いいけどね。私は女だから、いくら同じ兄妹でも分かんないこといっぱいあるし。これからもみんなとは違っていくんだろうなって思うよ。』
カラ「………性別の違いはあっても俺らは一緒だぞ?」
『分かってるよ。でも、時々すこーしだよ。ほんの少しだけ寂しいなって思っちゃう時あるんだ。私も男に生まれればこんなこと感じなくて済むのかなとかね。』
カラ「お前はお前だ。何も変わらない。」
『そうだね。ありがとう』
カラ「……あや子。少し変なこと聞くが……俺ら兄弟の中で一番を決めるとしたら誰だ?」
『一番?』
カラ「ああ。誰が一番好きかだ。」
『そんなのみんな好きに決まってるじゃん。誰がどうとかないよ。でもまぁ、言うとするなら、一番甘えられるのはカラ兄ってとこかな。』