第2章 籠の中のお姫さま。
瞳を丸くさせるテト。それにクスッと笑いながら 私は読み書きのためのペンを用意し呟いた。
『テトと一緒ならどんな国でも幸せになれると思うの。…ねぇテト もし本当にそうなったら テトは私と共に行ってくれる?』
顔をあげテトを笑顔で見つめる。テトは驚いた顔から 今度はとても嬉しそうな顔で瞳を潤ませた。
「勿論でございます 姫様!」
大きく頷きそう答えてくれたテトに私は嬉しくなり微笑んだ。
……その時の私は何も知らなかった。
このとき私はテトに 違うことを言わなければならなかった。籠の中の鳥は一生 籠の中で大人しくしていなければならなかったの。
その日の1週間後。私は籠の中から出された。テトと共に 他の国へ行くという条件のもと。
今思えば テトは私に決断を委ねていたのかもしれないわ。私の考えを優先する優しいテト。あなたは本当に それで良かったの…?