第3章 華の名前
暗い路地で泣き笑うそいつは何故か悲しそうだった・・・。
サボはとある島に潜入捜査中。
コアラと分かれて聞き込みする。
「だぁ!めんどくせェ!!」
「ちょっと、電伝虫から聞こえてるからね!!」
「いいだろ?俺だって休息は必要だ!」
「よく言うよ。365日休憩中なのに。」
「んなことねェ!!」
サボは電伝虫をきった。
そしてベンチで息抜きをする。
「こんなに長い時間聞き込みなんてやってられっか!」
ウトウトし始めたそのとき。
「いたぞ!懸賞金3億の世界の破壊者ラーラだ!」
「雑魚に用はない。死ね。」
一人の女が裏路地へ入り込んだ。
サボは助けてやろうと思ったが必要なかった。
聞こえてきたのは男の悲鳴だったからだ。
「世界の破壊者・・・。」
聞いたことがある。
悪魔の一族と呼ばれた一族で、数年前の不可解な事件で一族のほとんどが死んだという・・・。
世界の破壊者ラーラはその生き残りだという。
「興味あるな。」
そして聞こえてきた笑い声。
「アハハ…アッハハハハハ!!」
「何か、変なやつだな。」
変なやつ。
それが第一印象だった。
だが何故か笑い声が悲しそうに聞こえてきたから・・・。
サボはそっと裏路地を覗いた。
その女は・・・
「泣いてる?」
ラーラは泣き笑っていた。
狂ったように。
それでもそこから悲しみが滲み出ていたのが分かった。
サボは気づかないうちに声をかけていた。
「悲しいのか?」