第7章 華の炎
2年後。
新聞で知ったエースの死。
ラーラは一筋の涙を零した。
一瞬だけでも愛した人。
手の届かない場所で命を落とした。
「さようなら。」
この体に残そう。
エースが私を助けてくれたことを。
ラーラは後ろの左肩に、炎を象徴とした「A」のタトゥーを入れた。
自分も忘れぬように。
「あんなこと…しなければよかった。」
そう後悔した。
初めて自分を責めた。
エースの中に私がいれば、助けにだって行けたんだ。
でも、エースにとって私は知らない誰か。
「ごめんなさい…。」
自分を悔いて、泣いた。
意味もないことくらい分かっていた。
それでも溢れて流れる涙は止まらなかった。
一瞬の愛が大きくなってしまっていた。
抗えない運命だと知っていても・・・。
「運命が…決められてるなんてね……」
あなたから記憶を奪ったことを許して。
どうか・・・許して。
この後悔は永久に続いてしまうのだろうか・・・。