第1章 右手
櫻「あれ。何、手袋なんてして。珍しい」
二「…」
さすがに早いな、ツッコミが。
外でのロケ。寒いのは寒いけど、だからって手袋するほどじゃない。そこまで放置時間長くないし、ポッケか袖に収納しとけば問題ない。
でも
大「手ぇ荒れてんの?」
相「クリームあるよ、俺」
二「…」
和むね、こっちは。
大「俺ヒドイよ、今」
相「どれ。うわっ、ガッサガサじゃん!何これ。釣り?」
大「ううん、絵。手についたのが落ちなくて。何回も洗ってたら…」
松「酷いね、マジで。アップNGでしょ、完全に」
大「ヤバいかな」
相「ヤバい。後でクリーム貸したげるよ」
大「ん…」
あ~あ~…ダメだってそれ。皮とか引っ張ったら。絶対血ィ出るって。
大「…あ」
やった(笑)。
相「!ちょっとリーダー!何してんのっ!?ティッシュ、ティッシュ取って翔ちゃんっ」
櫻「はいはい。…大惨事だな(笑)」
松「すいませーん、絆創膏ってあります?」
大「押したらすげぇ出る…」
櫻・相「押すなっ」
ホント期待を裏切らないね、この人は。
櫻「で?どしたの、ソレ」
二「…」
戻ってきた。
二「…まあ。ちょっと」
櫻「貰いもん?」
松「まさか自分で買ったとか」
二「…」
まさかって何よ。ま、買わないけども。やっかいなのが参戦してきちゃったな。
松「…なに?そのステキな微笑みは(笑)」
櫻「そして肯定も否定もしないという…」
松「や、でもこれ既製品じゃないでしょ。手作り感ありありだもん」
二「…」
ホントにやっかいだな。
でも、「ほっといて」ってのはたぶん無理。だって思いのほか暇なんだもん、今日。リーダーの方も落ち着いちゃったみたいだし、残り二人が参戦してくるのも時間の問題…。
でもこの状況下で手袋出した時点で、そういうことなのよ。だから想定内。別に突っ込んで欲しい訳では全然ないんだけど。他にするタイミングが見当たらなかったってだけ。