第21章 >>19 俺とキミの過去な件(研磨side)
その後、クロの目を欺いてひっそりに接触した。
それは自分も誤算で、でも嬉しい誤算で。
行き付けのゲームセンターでよく目にする《いちご》というプレイヤーが探し求めていただったのだ。
身勝手だが、それを運命と呼んだ。
あの日立ち止まった思い出が、季節を追うように動いた様な気がした。
なのに────
「何で、何で、...こっち側に来ちゃったの。」
『...?研磨、何か...変だよ??』
目の前に居るは、あの頃の様に《誰かの為に自分を犠牲にする》と言わんばかりの雰囲気で。
そんな状態のは、痛々しい怪我を負っていた。
俺達の生きる界隈に、これ以上居させてはならない。
「ッ...。」
その変化は普通の人にはきっとわからないだろう。
些細な変化が、俺の過去を掘り起こす。
「ねぇ、もうこの街を出よう。一緒にどこか遠くで、そうだ...ゲームでもしてのんびり暮らそう。」
自分でも何を言っているのかわからなかった。
それでも、これ以上がこの街の色に染められて、どんどん汚れてしまうのを見たくなかった。
「研磨ァ...何話してんの...?俺も、混ぜてよ?」
なのに、どうして。
どうして俺の邪魔をするの────
「ッ...クロ...!」
するりと空間に入り込んできたのは、俺が最も信頼して、敬愛して、尊敬して、命の恩人とも言える存在。
なのに、今は最も警戒してる。
胸の中が、苦しい程にざわめいた。