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【HQ】ANARCHY【R18】

第21章 >>19 俺とキミの過去な件(研磨side)



「~!プリ撮りたいから、早く財布出して!」

何だか騒がしいなと思って見てた。
興味も無ければ、助ける気なんてさらさら無かった。
そう言えば聞こえはいいけど、実際は怖かった。
目の前に広がるその《いじめ》の現場は、自分と重なって息をするのも辛くなった。

そこにいる少女は、何も言わず財布を差し出して笑っていた。

「何で...。」

声をかける勇気もない。
何だか悔しいと思いながらも目を離せなかった。
次の日も、その次の日も。
その少女はそこにいて。
いつものメンバーに財布を差し出して、笑っていた。

「あー...何かつまんない。」

「うんうん。飽きたよねー。」

「、明日飛んでみてよ。1回だけ。」

「私死ぬ方に2000円。」

「じゃあ私も死ぬ方に。」

ある日、そんな会話が聞こえてきた。
楽しげに、何も違和感が無い会話なのに吃驚する程恐ろしい内容だった。
それなのにその少女はいつもと変わらず笑顔で。

『私に出来る事なら、するよ。』

それが彼女を最後に見た姿。
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