第21章 ~恋ネコ①~ 真っ直ぐプロポーズ
『アキちゃーんっっ(泣)』
玄関に入って同時に大声で呼ぶと
奥からひょっこり顔を出す。
『あれ、今度は何?』
『スマホと腕時計、忘れたぁっ!』
『(笑)それは大変!』
リビングのテーブルの上に置いてあった
スマホと腕時計を持ってきた彼女は
笑いながら言った。
『てっげ、私から離れたくないっちゃね。
もう、出張、やめちゃえばいいとに(笑)』
…もちろん、冗談なんだろうけど。
でも、
もう、この言葉でそんなこと言われたら、
俺の気持ちは崩壊してしまうってば!
あー、くっそ、ダメだ、ガマンできねぇ。
『…んんん…リエー、フ…、遅刻、し…』
壁に押し付けて、
食いつくようにキスをする。
『アキちゃんが悪い!
俺のこと、そんな風に誘惑するから…』
『誘惑なんて、しちょらん…』
『してる。ガマンできない!』
今すぐ。ここで。
壁に押し付けてキスをしたまま
ブラウスのボタンを外す。急いで。
『…ここで?』
『ここで。
一回犯すまでは俺、出発しないから。
アキちゃん、諦めて。』
獅子…リエーフっていう俺の名前の意味…
そう、肉食動物。
アキちゃんを、捕獲する。
アキちゃんを、離さない。
アキちゃんを、食べ尽くす。
『アキ、何からしてほしい?』
セックスで俺が呼び捨てした時は
もう、止められないって
アキちゃんもわかってる。
そして、教えてきた。
獰猛になった俺は
アキちゃんのおねだりが
何よりの好物だということを。
『…ぅん…おっぱい、舐めて、ほし…』
ほーら。
こんなことを言うんだよ、
俺のかわいいアキちゃんが。
あの、後ろ上がりの
やわらかいアクセントで、
こんなイヤラシイことを。
舐めて、あげなくちゃ。
『いいよ。
じゃ、自分でおっぱい出して。』