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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第20章 未来への扉



ツーショット写真を撮影してあげて
再びレストランに案内し、
会場からのお祝いとして
乾杯用のスパークリングワインを
グラスでサービス。

食事が始まったのを見て俺は事務所に戻り、
さっきの写真をプリントアウトして
フォトフレーム2つにセット。

メッセージカードを添えて
二人に渡す準備をしていたら、

接客からもどった隣のデスクの早瀬が
声をかけてきた。

『あれ?夏希ちゃんち、まだ行かなくていいの?』

…ハッ…
目の前のプロポーズ作戦に夢中になってて、
うっかり時間を忘れてた…

時計を見る。
約束の時間から、既に一時間半…
今すぐここを出ても、
夏希の家に着くのは
さらに30分はかかるだろう…

ヤッベ。
まじで、ヤッベ。

恐る恐る、スマホを見る。

夏希からの連絡が、三件。
着信と、LINEが2回。
…何が恐ろしいって、
連絡は最初の一時間のうちだけで、
ここ30分の間は音沙汰なしだということ。

…怒ってんな、これは。
明らかに、怒ってる。

視線を感じる。
気の毒そうに?!俺を見守る早瀬。

『サプライズに成功して嬉しい
夜久君の気持ちもわかるけど、
イブの夜なのに音沙汰なしで待たされる
夏希ちゃんの気持ちもわかる…』

『頼む!これ、デザートの後に二人に渡して!』

フォトフレームを早瀬に渡し、
取るものも取り合えず、走った。
駅で電車を待つ間、夏希に電話する。

1コール。出ない。
2コール。出ない。
3コール。出ない。

…頼む、怒っててもいいから
とりあえず、出てくれ…

4コール。出ない。
5コール。出な『…もしもし』

出た!出た!

『も、もしもし、夏希!』

『今、どこ?』

『駅。今から電車乗るからあと30分で着く!
なんか、なんか、飲み物かなんか、
買っていこうか?』

『…いらない。全部、よーく冷えてる。』

…夏希の声も、よーく冷えてる…

『あ、電車、来た!すぐ行くから!』

…大丈夫、大丈夫。

言いたいことは、
ちゃんと言うよな。

今日は、俺が悪い。
夏希の言いたいこと、
全部、聞くから。

いつものケンカと、
かわらない、よな?

会ったら、まず、ごめん、だ。

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