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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第20章 未来への扉



それは
翌年のクリスマスイブのことだった。

この日は平日。
仕事が終わってから、
俺が夏希の家に行って
飯を食うことにしていた。

…つきあい始めて一年が過ぎ、
夏希との恋愛も安定してきた頃の
クリスマスイブ。

俺たちだけじゃなく、
あちこちのカップルが
いろんな予定をたててる
クリスマスイブ。

サプライズをするにはもってこいの
クリスマスイブ。

…という特別な日。

以前、
うちの会場に見学にきてくれてたことのある
カップルの彼氏から、昼過ぎ、電話があった。

今日、うちのレストランで
ディナーの予約をしていて、

その前に、
サプライズでプロポーズをしたいから
チャペルを使わせてもらえないか、と。

これがうまくいけば、
ここで結婚式をしてくれるのは
ほぼ、確定だろう。

仕事としても、
そして、
プロポーズを考える男の立場としても

彼のサプライズを全力で応援したい。

予定より少し行くのが遅くなる、
と夏希に連絡し、

仕事が終わってから来る、という
彼らのためにチャペルを準備し、

俺まで少し緊張しながら
その時を待った。

何も知らず、
普通のクリスマスディナーだと思っている彼女。

レストランに一旦着席し、
何食わぬ顔でドリンクのオーダーを済ませた彼が
トイレにでも行くような顔で席をたつ。

彼はそのまま、
チャペルでスタンバイ。

なかなか戻らない彼を
心配し始めた彼女に、
俺が声をかけて
彼からの伝言を伝える。

『彼からあなたに
頼みがあるから来てほしいそうです。
こちらです、どうぞ。』

不安がる彼女を連れてチャペルへ。

何も知らない彼女を
チャペルの中へ入れると、
俺はスタッフ通路から急いで調整室へ。
モニターで中を見ながら、明かりをあてる。

驚く彼女を呼ぶ、彼。
おずおずとバージンロードを歩き
彼のもとへ辿り着く彼女。

『頼みがあるんだ。
…僕と、結婚してください。』

最初は両手で口を押さえ、
言葉もでない彼女が

やがて嬉し泣きし始め、

彼が指輪を送り、

俺は二人の上に羽を降らす。

…プロポーズは、大成功。

俺も小さく感動した。

うん、やっぱプロポーズは、
サプライズがいいな。

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