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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第20章 未来への扉



チャイムを押すのに
これほど勇気がいったことが
かつて、あっただろうか。
いや、ない。

…えぃ、どのみち会うんだ。
早いに越したことはない。
1秒遅れるごとに、
夏希の怒りも沸騰するはずだ。
早く、謝ろう…

ピンポーン。

カチャ…

扉の隙間から見える夏希の
…あれ?笑顔??

『遅くまでお疲れさま。あがって、あがって。』

…ちょっと、というか、相当、
拍子抜けしてしまう。
絶対、超 不機嫌だと思ってたのに。

あ、でも、謝んねーと。

『遅くなってごめん。
途中で連絡いれられなくて、ごめん。
すっげー待たせて、本当にごめん!』

『わかったわかった。
ね、先に、お風呂入るでしょ?』

『あ、うん、そうだな。そうしよ。』

バスルームを借りる。
頭からシャワーを浴びて
とにかく気分を切り替えた。

『お待たせ…うゎぁ、頑張ったなぁ!』

テーブルに、
キレイに盛り付けられた料理。
テーブルセッティングも、
いつもより豪華だし。

楽しみにして待っててくれたのが伝わってきて…
申し訳ない気持ちが甦る。

…でも今は、謝罪より、
誉め言葉とありがとう、だよな…

『うまそう!
モーレツに腹が減ってきた!
全然、手伝えなくてごめんな、
たくさんありがとう!
あぁ、早く食いてぇ!!』

エヘ、と少し笑う夏希。

『何、飲む?』

『最初は、ビール!』

暖かい部屋の中。
冬限定デザインのビールで乾杯。
テーブルの上には手料理が並んで…

まるでCMの1シーンのような気分で
心なしか、酔いが回るのも早い気がする。

…夏希、機嫌、大丈夫なのかな?

そう思ったとき、夏希が聞いてきた。

『ね、まだ、
会社では働いてる人がたくさんいるの?』

『ん?…あぁ、今はどうだろ。
俺が会社を出るときは、まだみんないたし
早瀬も、すっげー普通の日みたいな顔で
仕事してた。』

『でも、クリスマスイブに
打合せにくるカップルなんて、いる?』

…あ、やっぱ、まだちょっと気にしてる?

さっきの笑顔は、
イブを楽しくすごそうという夏希の努力か…

そうだよな。
二時間も遅れりゃ、
腹が立って当然だ。

だけど、

ちゃんと、
今日のこと話せば、
わかってもらえる、よな?

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