第20章 未来への扉
『え?…急じゃね?』
『でも、そうでもしないと
なかなか一緒にいられないでしょ?』
『なんだ、ええと、それ、マジ?
うゎぁ、ちょっと待て、
酔った勢い、とかじゃねーの?』
…ワインはすでに、二人で1本空けた。
確かに、シラフの判断力ではないはず…
俺も、夏希も。
『あ…そうだね。
今はすごくそう思ってるけど、
ちょっと酔った勢いもあるかも。』
『なぁんだよっ!
おい、無駄にドキドキさせるなぁ!』
『…でも、私はそう思うくらい
もりすけのこと、思ってるから。
他の人がなんて言おうが、関係ない。
例えそれが、クロでも。』
『夏希がハッキリ言ってくれる女でよかった。
俺、迷いが多すぎるな。』
『それだけあれこれ
考えてくれたってことでしょ?
そういう誠実なところも好きなんだってば。
…話、最初に戻るけど、
連絡、したいときにしていい?
私、寂しいの、イヤだもん。
でも、仕事の時間は
できるだけ避けるようにする。
…おやすみ、とか、そんだけでも
言葉、交わしたい。
私たちなりの付き合い方で、いいじゃん。』
『また、ぶつかることもあるかもしんねーけど…』
『それはその時にまた考えようよ。
あたし達だけじゃダメだったら、
ほら、またクロとか海君とか、
早瀬ちゃんとかいるから。』
『アイツらに頼るー?!』
『味方は多い方がいいじゃん。』
『…早瀬は、明らかに夏希の味方だな。』
『心強~い(笑)』
『…夏希』
『ん?』
『もう一回、抱かせて。』
『…もう、時間が…』
『あと30分ある。シンプルにするから。』
『シンプル?』
『うん。』
…酔ってほんのりピンク色の肌をした
夏希を、ベットに運ぶ。
いわゆる"ちゃんと"。
唇から始めて、
上から順番にキス。
胸を愛撫して
…手だけは、頭の上で押さえた…
そのまま、挿入、フィニッシュ。
トータル、20分。
予定通り、間に合った。
『…夏希、帰る準備!』
『急にきっちりしすぎだよ!(笑)』
ケンカしても。
背伸びしようとしても。
カッコつけようとしても。
夏希は俺のことをお見通しだ。
だって、高校からのつきあいだから。
…やっぱり俺には、
お前しかいないよ、夏希。