• テキストサイズ

ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第20章 未来への扉



それから数日、
本当に、全く夏希とは
連絡をとらなかった。

夏希からも、連絡はない。

最初の2、3日は
ソワソワ、というか
イライラ、というか
とにかく落ち着かなかったけど、

クロとの約束を破るわけにはいかない。
クロなら、必ず行動してくれる。

そう信じて、耐えた。

慣れると、
確かに仕事にも集中できて。

…やっぱり今まで、自分達で自分達を
縛り付けてたのかな…

そんなことも思うようになる。

そんな変化に気付き始めた、
あの日から10日ほどたった日。
職場に、クロから電話があった。

『よ!仕事中に、ワリィな。』

『いいけど…
わざわざ職場に電話って何の用だよ?』

『すぐ、確認してほしくて。
今度の日曜、なんとかして休めねー?』

『日曜?日曜は…』

『仏滅だけど、ダメか?』

あっ、そうか。仏滅サンデー。

…予定の書き込まれたボードを見る。
披露宴は入ってるけど、
俺の担当のお客さんではない。

打ち合わせは…入ってるけど、
もう早瀬に任せられる段階だから…

『なんとかなるかも。10分後に折り返す!』

『いい返事、待ってる。
…夏希との仲直りがかかってんだから。
仕事とどっちが大事か、よーく考えろぉ。』

軽い調子で
大事なことをさらりと言って、
電話は切れた。

早瀬に相談する。

『頼む、今度の日曜、休ませて!』

『えーっ、日曜に休みとる気??
あ、仏滅サンデーか。
打ち合わせは…あぁ、あのお二人なら…
もう、内容、あらかた決まってるね。
うん、私一人で大丈夫。
…夏希ちゃん?』

返事はせずに(どうせわかってるんだろ。)
両手を合わせて感謝を伝える。

よかった。
すぐにクロに折り返し。

『クロ、都合ついた!終日、オフだ。』

『でかした、夜っ久ん。
ほんじゃ、朝7時、新宿駅に集合。
動きやすい格好で来るように。以上。』

ツー、ツー…

なんだ?
用件だけ言ってブッツリって、
スパイ映画じゃあるまいし(笑)

とにかく、
クロから言われたことを忘れないように
スケジュールに書き込んだ。

…休む分、先に仕事、片づけないと。

パンっと頬に気合い。

その日から4日間、
俺は本当に、段取りよく働いた。

日曜日、
心置きなく夏希と過ごすために。

/ 1378ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp