• テキストサイズ

ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第20章 未来への扉



『なんで、クロと海君もいんの?』

『あ?だって夜っ久ん、
夏希が方向音痴だから
ちゃんと捕まえとけって言ったろ?
だからちゃーんとここまで送り届けたの。
俺ら、これでお役御免な。帰ろうぜ、海。』

『…クロ、海君、
送ってくれてありがと。またね。』

…またね、って、何だよ。
また会う約束、してきた?
俺抜きで、また遊び行く?

あぁ、ダメだ。俺、ヤバイ。
夏希に何言うかわかんねぇ。
…止めてくれ…

『クロ、海君、頼む。
しばらくここにいてくれよ。』

『えーっ?ヤダ。
俺、夫婦喧嘩に興味ねぇし。』

『…クロ、茶化すなよ。夜久の頼みだぞ。』

『海、優しすぎ。』

『…あの…ご注文、お決まりですか?』

ちょうどのタイミングで
やって来たウェイトレスに

『じゃ、コロナ4つ。
…それ飲み終わるまで、つきあうか。』

さっさと注文して座るのは、クロ。
夏希が、俺の向かい側。
クロは、夏希の隣。
海君は、俺のとなり。

…奇妙な空気。

『…紅葉、もうしばらく楽しめそうだよ。
一緒に行けたらいいね。』

『…だな。今日、誰が来た?』

『クロと海君、リエーフ、虎君、あと犬岡君。』

『ふーん。楽しそうだな。』

『うん。もりすけもいたら
よかったのにな、って思った。』

…心のざわつきが、俺の自制心を揺さぶる。
言葉が勝手に飛び出すのを、止められない。

『俺、いなくても楽しかったんだろ?
さっきここに来る時も、
クロと海君と超 楽しそうだったじゃん。
全然、こっち見ねーし。』

…俺、やめろ。
そういうの、すっげー見苦しい。

『…だって、
もりすけが先に来てるなんて思わないじゃん!
いっつも遅れてくるから。』

確かにその通りだけど。
それ、今、言うか?!

…ちょうどビールが運ばれてくる。

『はいはい、とりあえず、カンパーイ。』

クロの声と、カチャンと鳴る瓶の音。

『謝るの、いっつも俺だよな。』

『だって、私、謝ることないもん。』

『…昨日のは、違くね?
俺に内緒で遊びに行こうとしてただろ?』

『内緒じゃない!
もりすけ、仕事だろうから
誘ったら悪いかな、って
気を使ったんだけどっ。』

…悪循環だ。その自覚はある。
でも、怒りの矛先の治め方がわからない。

夏希にじゃない。
自分自身に、だ。
/ 1378ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp