第20章 未来への扉
理不尽だってわかってるけど、
考えれば考えるほど、
納得いかない。
なぁ、今日も俺が悪い?
いつも、俺が謝ってるよな?
約束に遅れるのも、
なかなかデートできないのも、
確かに、俺が悪い。
でも、
今日のは、違くね?
なんで俺に変に気を使うんだよ?
お前が
『みんなで紅葉狩り行ってくるね。』
って、サクッと言えばいい話だろ?
なんで海君やクロが俺に許可とるかな?
そういうの、
俺を信頼してないっぽくね?
俺より、
クロや海君を頼ってるっぽくね?
「何でも話そう」って約束したろ?
…考えれば考えるほど納得いかなくて。
飲んでも飲んでも酔えなくて。
『夜久、考えすぎじゃないか?顔、怖いぞ。』
『そうそう。
知らない男と遊びに行くわけじゃねーし。
ゆるーい遠足だってば。
何、心配してんの?
俺たち、そんなに信用ない?』
『そうだよ。
夏希は夜久の彼女ってみんな知ってるから、
心配いらないだろ。
そこ、奪いに来るような攻撃的なヤツ、
うちにはいないから。』
…わかってる。
わかってるよ。
そんなこと、全部わかってる。
でも、
かわるがわる話しかけてくる
海君とクロの言葉も、
…俺の信頼できる仲間なのに…
全然、俺の心を晴らしてくれなくて。
俺って、心、狭い?
俺って、独占欲、強い?
俺って、彼氏失格?
なんで、俺がこんな思い、する?
夏希を大事にしたいから、
一生懸命、仕事、してんじゃんか。
ちゃんと夏希との未来を
真面目に考えてるから
仕事、頑張ってんじゃないか。
結局、
夏希に腹が立ってる俺。
大事だと思ってんのに、
なんで、こうなるんだよっっっ?!