第20章 未来への扉
俺が待ってる言葉を、誰か…
『それよりさぁ、夜っ久ん、
まだ夏希とつきあってんだって?』
…んんっ、さすが、クロ!
そう。俺、それを言って欲しかったんだ。
答え方、
ちょっとわざとらしいかもしんねーけど…
『…どうして知ってんだ?
なんだ、夏希が言ったのか。
まぁな。ずっとじゃねーけど。
再会してから付き合い始めて
…まだ3ヶ月?』
夏希の方に話をふる。
『…そのくらい、かな?』
『ってわけで、お前ら、
久々だからって夏希に甘えんじゃねーぞ。
もう、
お前らのマネージャーじゃねーんだからな!』
『いいよー、
この顔ぶれ見たら、放っておけないもん。
世話したくなる。マネ魂、復活するなぁ。』
『ダメダメ、こいつら調子のるから!
夏希がお酌していいのは監督とコーチだけ。
クロ、
リエーフたちが調子にのらねーように
見張り、頼むからな。
おい、お前ら、
勝手に夏希と連絡先交換したりすんなよ!』
『過保護なオヤジか(笑)
夏希、相変わらず、ガッチリ愛されてんなぁ。』
エヘ、と笑う夏希の笑顔を見て、
安心する。
そしてまもなく始まった福永の結婚式は、
いたってシンプルな内容だけど
あの無表情な福永がニコニコしてて、
あの無口な福永がちゃんと謝辞も述べて
それを見守るチームメイトもみんな
すっげー楽しそうで。
今まで、烏野や青城や梟谷のやつらの
結婚式をたくさん見てきたけど、
やっぱ自分の仲間だと特別な感動だな。
そう思って、見てた。
…そのうち、近い将来、
俺と夏希も、
こうやって祝福してもらうんだよな。
そう思って、見てた。