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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第20章 未来への扉



その日は、秋の透き通るような1日だった。
チャペルの白が青空に映えて
カランコロンという鐘の音が
遠くまで響き渡る。

『晴れてよかったね。
夏希ちゃんも来るんでしょ?』

『おぅ。チームメイトで
初めての結婚だからな。
チーム全員が揃うの、
俺らが卒業してから初めてだ。』

今日の結婚式は、
俺にとってちょっと特別。
後輩だった福永の結婚式。
俺がいるから、と、
この会場を選んでくれた。

みんなとも、
卒業してしばらくは
時々会ったりしてたけど、
もう、それぞれが働き始め、
東京にはいないヤツもいるし、
なかなか会う時間はなくなって…

こうして揃うのは、久しぶりだ。

山本や犬岡、芝山のスーツ姿が新鮮。

クロと海は、直井コーチと並んでても
違和感ないくらい落ち着いてる。

研磨は…実はちょっと有名人だ。
でも相変わらず、オーラ消すのがうまい。
いるかいないか、わかんね。

リエーフは…ますますデカい。
身長も、声も。(笑)

猫又監督も、相変わらず酒飲みで。

音駒チームのゲストテーブルに
女は一人。夏希だけ。

アップにした髪型で、
散らした後れ毛とうなじが色っぽくて。
見たことないパーティードレス姿。

他のやつらと楽しそうに話してる姿が
ちょっと気になる。
…正直に言うと、癪に障る。

だから、日頃の披露宴では
滅多に表に出ることはないんだけど、
今日はわざとテーブルに顔を出した。

『よ、みんな、久しぶり!』

『夜久さん!』
『ここで、働いてるんですね!』
『身長、伸びなかったんすか?』

…最後のセリフを言ったリエーフに
後ろからゲンコツをくらわせる。

『夜久、仕事してないで
ここに椅子持ってこいよ。飲もうぜ。』

『海くん、笑顔でそういうこと言う?
俺もそうしたいけどさぁ。』

…誰か、
そっちから言ってくんねーかなぁ。
俺からは、言い出しづらいじゃん。


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