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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第20章 未来への扉



そのままうとうとと、裸のまま眠って…

ふと気がつくと、朝、6時。

ゆうべ、放り出したままの
見積もりのことを思い出す。
…直接出社すれば、間に合うな…

夏希は?
俺の横で無邪気に眠る顔を
見ていたかったけど、
多分、仕事に行く前に
帰って着替えて化粧して…

かわいそうだけど、
そろそろ、起こすか。

…どうやって、起こそう?

頬をつついてみる。
キスもしてみる。

起きない。

…俺の、彼女。
いたずら、したい。

『夏希、先生がきたぞ!』

ビクッ、と起き上がり、
キョロキョロして、
自分が全裸なのに驚き、
隣にいる俺に驚き、
ひととおりのビックリした顔をして、

『…なんて愛のない起こし方!』
と、膨れて肩パンしてくる。

『優しくじゃ、起きねーじゃんっ。』

『そういう意地悪な所も好きだけどネ。』

『うるせ(笑)』

こういうこと、平気で言える間柄。
気心が知れてて、居心地がいいんだ。

ほっぺを両方からひっぱって、
ギュッと抱き締めて。

『もっと一緒にいたいけど…
準備して、仕事、行かないとな。』

『ん…』

シャワーをあびて、
身支度を整える。

備え付けのアメニティで
髭を剃っていたら、
こっちを覗いてる夏希の姿が
鏡越しに見えた。

『なに?』

『もりすけが髭、剃る姿、新鮮。
男、なんだね。』

『当たり前だろ(笑)』

『ね…』

洗面所に入ってきた夏希が
後ろから抱きついてきた。

『ゆうべ、彼と別れたばっかりなのに、
全然、ショックじゃない自分に、
ビックリしてるの。
このタイミングでもりすけに会ってなかったら、
あたし、浮気を黙認して結婚してたかも。

…絶対、不幸になってたよね。

私を見つけ出してくれて、ありがと。』

俺を抱き締める手を、握る。

『…多分、全部、その為だったんだよ。
俺たちが前に別れたのも、
お前の元カレが浮気したのも、
お前の友達がショーに出れなくなったのも。

俺がお前を見つけたんじゃなくて、
そうなるように、決まってたんだって。』

『もりすけ…私達、今度は、
ちゃんとわかりあえる二人になろうね。』

『おぅ…とり急ぎ、髭、剃っていい?』

鏡のなかで笑う俺たちの顔が、
すごく自然で。
もう、毎日、こうしていたいと思った。


…結婚、したい。


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