第20章 未来への扉
…そして、沈黙。
『あ、ぇぇ、と、
俺も、シャワー、浴びてきていいかな?』
『ん、そうだね。ゆっくり。』
脱衣所の扉を閉めて
一気に、脱ぐ。
その直後に
"もしかしたら明日、
ここから職場に直行するかも"と思い、
服をキレイに畳んでしまう。
変なところで几帳面、
自分を捨てきれない性格。
"狼に変身!"とかって
出来ないタイプだよな…
一瞬、チームメイトの顔が思い浮かぶ。
狼っぽいのは…文句なく、
リエーフと、クロだな。
あいつら、激しく変身しそうだ。
研磨や福永は…はなっから、ネコっぽい。
掴みづらい、というか、気分優先。
芝山や犬岡は…柴犬っぽいのはなんで?
あ、名前のせいか(笑)
でもそれだけじゃなくて、
女性に対しても忠実な気がする。
待て、と言われたら、待っていそうな。
山本は…名前は虎なのに、
なんかバタバタした感じが
ハムスターみたいなんだよな。
モヒカンのハムスター(笑)
海君…牛?なんか、どっしりしてる。
俺は…なんだろな。自分ではわかんねーや。
…そんなどうでもいいことを考えながら
頭からシャワーを浴び、体を洗う。
そして、チラリと。
夏希は…リスだな、と思う。
かわいい前歯、だけじゃない。
小柄だけど、ヒラリとした身のこなし。
迷わず動く、直感。
欲しいものを頬っぺた一杯に頬張る
積極性。
…ちゃんと、捕まえとかないと。
もう、逃がさないように。
キュッ、とシャワーを止めて
体を拭いた。
すぐ脱ぐけど、
一応、俺も、バスローブ。
…ヤバイ。
興奮する。
今からすることは、ただひとつ。
昔の彼女で、
今日、男と別れたばかりで、
今からもう1度、俺の彼女になる
夏希との
セックス。