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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第20章 未来への扉



夏希は、ソファに座っていた。

テレビを見るわけでも
スマホをいじるわけでもなく、

クッションを抱えて、じーっと。

『…お待たせ。どした?』

『あ、ううん、別に。
なにを考えたらいいか、わからなくて。』

手を掴んで、
立ち上がらせて。

『…俺のことだけ、考えて。』

片方の手で背中を抱き、

もう片方の手で
夏希の頭を
俺の肩に抱き締める。

乾かしたばかりの髪から
ふんわりと、花の香り。

『夏希、ちゃんと言うよ。
…俺と、つきあって。
出来れば、結婚も考えながら。』

俺の肩に触れていたおでこが
つ、と離れて、こっちを見上げる。

『…初恋の人とは、
だいたいうまくいかない、って
聞いたことあるけど…大丈夫かな?』

『みんながみんな、そうとは限らないだろ。
ジンクスより気持ちが大事だって。』

初恋だったのは…
ハジメテだったのは、
もう、遠い昔のこと。

今は、大人のキスをしよう。

たっぷりと。
深く、深く。

滴を交わしながら。

舌が動き回る。
口の中の隅々まで。
チュ、チュク、ヂュパ…
音も、湿り気を帯びてきて。

吸いすぎて、
酸素が足りない。
頭がクラクラする。
でも、唇は離れない。

…隅々まで、俺のもんに。
夏希の中の男の記憶を、
全部、俺に上書きするんだ。

そんな欲望を
唇に託す。

やがて、
首筋から鎖骨、

少しづつバスローブを開いて
胸の白い丘の上にも。

ハァッ…

ハァッ…

聴こえる吐息が熱くなる。

『開けて、いい?』

『…ん…』

バスローブの紐を解き、
前を開く。

白い身体に、
水色の下着。
ヒンヤリとした色合いなのに、

火照った素肌。

バスローブが滑り落ちたのを合図に、
ベッドに押し倒す。

『全部、俺のもんにするから。
全部、見せて。触らせて。』

『…全部、あげる。全部、見て…』

揃いの上下の下着を剥ぎ、
放り投げた。

…俺が知ってる夏希とは違う。

猛烈に沸き上がる、嫉妬。

何が、初恋の人、だよ。
いっぱい、男、知ってるくせに。

俺が初めての男、のはずなのに。

いつのまにか、
女の体になりやがって。

『…俺のことだけ、考えてろよ。』

今までで一番、
体が熱い。

夏希を、取り戻す。

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