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ウェディングプランナー(R18) Hi-Q

第20章 未来への扉



スマホに送られてきた店。

地図ナビが示したのは、
職場近くの緑地公園の中だった。

"ランコントル"という名前の店は
オープンカフェになっていて、
昼はランチ、
夜はカフェバーになるらしい。

こんな近くにこんな店があるなんて
知らなかった。
女性が好きそうな店だな…

緑の森に包まれて、
ほんわりと灯りがともる空間。

既に早瀬と夏希は
テラス席で飲んでいる。

きっと、
今日のショーの話でもしているんだろう。
まだ、会って数回とは思えないような
楽しそうな表情で。

すごく楽しそうだったから、
少しの間、二人の様子を
離れた所から見ていた。

…もう一度つきあいたい、
とか考えてる俺、
構えすぎてんじゃね?

もっと、普通に、いかなきゃな。
夏希はまだ、彼と別れてないんだし。
久しぶりに会う友達、くらいの
モードがいいよな…

この楽しそうな雰囲気の中に
俺も自然に溶け込めるか?

俺、物欲しげでないか?

どんな感じで行けばいい?

…うぅ、少し、緊張するな…

考えててもラチがあかねーし。
とりあえず、行く。

『待たせてごめん!』

『…あれ、早いじゃん!
机、ちゃんと片付けてきた?
夏希ちゃんに会いたくて
散らかしたまんまじゃないの?!』

『ちっげーわ!お前のデスクよか
よっぽど片付いてるっつーの!』

『もりすけ、今でもキレイ好き?』

早瀬が答える。

『キレイ好きだし、世話好きね!
もう、おかーさんか?!ってくらい
みんなの世話、焼いてるもん。』

『変わんないんだ~。
もりすけ、高校時代も
リエーフとか虎君たちのロッカー見て、
いっつも"キッタネー"とか"掃除しろっ"て
文句言ってたよね。
ほんと、チームのおかーさんみたいだった!』

夏希が懐かしそうに笑う。

…よかった。
普通の友達モードで話せそうだ…

こうやってなんとなく、
『久々に再会した同級生』
みたいな感じで話に加わって、

緊張することなく
自然に会話できるようになった頃、
早瀬がスマホを見て言った。

『あ、ヤバイ!明日の連絡、してない!
ごめん、先に失礼していい?』

…"頑張れ"とでも言うように
俺の肩をポン、と叩いて
早瀬は帰っていき、


夏希と、二人に、なる。


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