第19章 Marry me !!
『ほんじゃ、二人に聞くぞ。
まず、木葉。
お前は高校の頃から、
目立たないように見えて
実はお前がいないと皆が困る
チームの大事な
"オールラウンダー"でさ、
今も、こうやって
俺らが仲間でいられるのは、
お前が…
木葉が
俺達の真ん中で
バランスとってくれてるからって
ちゃーんとわかってっから。
だから
これからはまず何よりも、
エリが今みたいな幸せな笑顔で
いつも自由でいられるように、
その次に、
俺達がいつまでも仲間でいられるように、
その"オールラウンダー"の
才能を発揮することを
誓うよな?』
…木葉様の人柄をよく知る人にしか
紡ぎ出せない、あたたかく力強い言葉。
その言葉は、他の誰よりも
木葉様の胸に、響いたようです。
グッと奥歯を噛み締めて。
グッと斜め上を見つめて。
…涙が溢れないように…
『おい木兎、こんな時に泣かす系、ズリーぞ!』
木葉様の抵抗も、
木兎様はなんのその。
『な、誓う?誓わない?どっち?』
『…くっそー、誓います(笑)』
『よし、じゃ、次、エリ!』
『はい。』
『俺達、男も女もその真ん中のヤツラも
みーんな、エリのことが大好きだ。
そんなエリが、木葉のことを選んだ。
俺が言うのもなんだけど、
エリ、エライ。見る目、ある。
だって、木葉はハデじゃないけど
本当にいい男だからさ。
だから、エリ、
この先、お前がどんなにモテても、
俺らの自慢の木葉のことを
一番大事にする、って誓ってくれっかな?』
…微妙な表情の木葉さん、と、
その横ですごく幸せそうなエリさん。
『もちろん、誓います!』
『じゃ、今度はお前ら二人に。』
『まだあんのかよ?』
『うるせ、木葉、キャプテンの話を聞け!』
…自由なやりとりが面白すぎて、
微笑み 満ちる 会場内。
そのゲストの笑顔を見た木兎様は、
お二人に、こう話しかけました。
『木葉、エリ、後ろ、見てみろよ。』
…ふりむくお二人。
見守るゲストの皆さまをぐるりと見渡して。
『こんなにたくさんの人に
笑顔で祝福してもらった今の幸せな気持ちを、
一生忘れないって、誓うか?』
見つめあい、
それから前を向いて、
大きく声を揃えるお二人。
『『はい、誓います!!』』