第19章 Marry me !!
そこから先は、
もう、皆が知っての通り、
俺達がナンパしたのは、
アッキーと
エリと
小春ちゃん。
アウトレットモールで
電話番号の交換と
プロポーズをまとめてする、という、
普通だったら有り得ない
驚きの(笑)ナンパ術を披露した
赤葦…
さすが、王子様。
やることなすことカッコいい(大笑)
その日の夜、
木兎の計らいで
音駒の夜久君が働く結婚式場の
チャペルに集合し、
俺たちだけの小さな結婚式をした。
…赤葦の親父さんから預かった
婚姻届を渡す、という大役も
無事に果たすことができて
俺もホッとする。
木兎神父(笑)の、
ハチャメチャだけど
想いの込もった誓いの言葉。
写真をたっぷり撮っても
まだ離れないほど、
長くて熱い、誓いのキス。
笑いと感動の結婚式のあと、
小春ちゃんはエリに
ブーケを手渡した。
細長い花びらが
たくさん重なった白い花と、
オレンジ色の鈴みたいな形の花で出来た
シンプルで小さなブーケ。
清楚な小春ちゃんには似合うけど、
ハデで大柄のエリには物足りないだろ…
と思ったのに。
不思議だ。
小さなブーケを手にしたエリは、
見たことのない表情をしていた。
夜久君の横にいた
ウェディングプランナーさんが
エリに話しかけている。
『あ、ブーケ持ったとたん、
エリさんに、花嫁の輝きが差した!
次、絶対に幸せが来ますよ、
たくさんお嫁さん見てる私が言うから
間違いないです!』
あぁ、
これ、
"花嫁の輝き"なのか。
微笑みながら、伏し目がちに
ブーケを見つめるエリの横顔は
本当に、
静かに澄んだ光を放っていて。
その眩しさに、
俺も見とれた。
エリが願ってた通り、
赤葦と小春ちゃんが
結ばれたんだもんな。
今度は、
エリの番。
俺のとなりで、
幸せに。