第19章 Marry me !!
間もなく
そのまま寝息をたて始めたエリ。
…いとおしいな、と思う。
余裕がある顔してみせるけど、
実はいつも全力なんだよな。
裸のまま、布団に運ぶ。
そっと降ろすと、
手を伸ばす仕草。
起こした?
『エリ?』
呼んでみたけど
返事はない。
…寝てても、俺を求めてくれてんのか…
手を繋いで、隣に横になる。
電気を消して
ぼんやりと暗闇に慣れてきた目で
エリの寝顔を見ながら、考えていた。
エリに愛されてる限り、
俺は、迷うことはない。
守るものは、エリ。
作るものは、エリとの未来。
…ふと、隣の部屋のことを思う。
赤葦。
大事なものを、
大事だからこそ
一度、手離すときめたお前。
辛いよな。
俺には、そんな決断、とても出来そうにねぇや。
これから
離れてしまうように見える
お前らの道だけど、
この先、
またどこかで繋がってるように。
心から、マジでそう思う。
大事なヤツの笑顔を
ずっと見ていたい。
何かあったら
支えてやりたい。
男だったら、
きっとみんな同じ気持ちだろ?
エリを大事だと思うほど、
自分の周りのヤツラも
みんな幸せになってほしいって思うんだ。
エリを好きになって
世の中が広く見える。
エリみたいに、
誰かの人生に関わる時は
全力で、心から関わりたい、
と思うようになった。
…だから、赤葦。
俺もエリも、
お前達が3年後、
必ずまた、結ばれるって
信じてるからな。
俺達の結婚式に、
二人並んで、出席してくれよ…