第5章 ヴァージンロード~月の道~
ベッドを出た蛍が、
シャンパンの残りを飲んでいる。
『ね、私にもちょうだい。』
…誰かさんのせいで、
ちょっと酔わなきゃ
やってられない気分なんだからね…
『はい』
蛍からグラスを受け取ろうとすると、
ひょいとグラスはひっこめられ、
手をつかまれた。
『ちょっと…私のシャンパン!!』
グラスをサイドテーブルに置いた蛍は
手を離してくれない。
『ね、なんなのよ、
なんでこんな日にイジワルするの?』
…グッと何かが押し込まれる感触。
『もう、やめて!』
蛍の手をふりほどくと、
私の薬指に
指輪が
はまってる…
『…これって?…』
『その指輪、欲しかったら、おねだりしてみたら?』
蛍。
『蛍。この指輪、欲しい。』
『なんで?』
『蛍と、結婚したいから。』
『ふーん。
アキのお願いなら、
特別に、きいてあげてもいいよ。』
…蛍、あなたって人は…
大好き!!!