第19章 Marry me !!
エリと出会ってまもなく2年になる頃。
本当に、なんとなくそろそろ
結婚の話をしたいなぁ、と考えていて、
ちょうどその頃起きたのが
『小春ちゃん救出大作戦』
…読者の皆さん、覚えてっかな?
赤葦か退職願いを出した日、
ゲスな社員が
小春ちゃんを色接待に連れていき、
それをエリが助けてきた、あの日のこと…
その日の夜、
6人でうちで飲んでた時に
『いっそ合同結婚式にしようか!』
なんて話が出て、
小春ちゃんも俺たちも
ノリノリでその話をしたんだ。
その夜、うちに泊まったエリに聞いた。
『な、赤葦達との合同結婚式って、
マジでありかな?』
『…ね、それって、プロポーズ?』
『あ?あれ…?
俺、プロポーズ、してないっけ?』
『してもらってないよ。』
『ごめん、もう、わざわざ言わなくても
お互い、そのつもりだって思ってた。
エリもそう思ってるだろ?』
『…そこはさぁ、つもり、とかじゃなくて
ちゃんとしてほしいなぁ。
だって、一生に一回だよ?
恋人が家族に変わる瞬間だよ?
何もナシなんて、もったいなくない?』
…そうだった。
エリは、女木兎だ。
木兎は、
超ハデなプロポーズをしたらしい。
同じ思考、志向、嗜好(笑)のエリなら
『言わなくてもわかるだろ。』なんて
許されるわけ、ねぇよな…
『わかった。
じゃ、この話はまた今度な。
ちゃんとプロポーズ、してから。』
『そうしてよ~。
そしたら、合同でもGOGOでも
なんでもアリだよ!
赤葦君と小春ちゃんが
OKしてくれるなら、ね。』
…そうやって笑ったのに。
翌日、あの二人は、
幸せの絶頂から
苦渋の決断へと
自分達を追い込むことを選び、
『結婚』なんて
とても口にできない道を
歩き始めてしまった。