第19章 Marry me !!
外で会えない二人が
唯一、
自由に会える場所が俺の家。
出来のいい弟分の赤葦に
頼られるのが嬉しくて、
俺も木兎も、
二人の恋を心から応援した。
木兎には許さなかった(笑)
俺の寝室でのセックスも、
赤葦と小春ちゃんになら
快く貸してやれた。
突然の予想もしてなかった恋で
敵ばかりになってしまった
小春ちゃんの相談相手になったのが、
アッキーとエリ。
小春ちゃんと出会った頃、
思い通りにならないことばかりの
二人を見ていて、
歯痒く感じたらしいエリが
『王子様とお姫様の物語は
ちょっと不幸なところが
魅力的って思ってたけど、
目の前で見てると、たまんないね…』
と、
俺の前で涙を流したことがある。
姉御肌で感受性の強い、
そしていつもHAPPYでいたいエリにとっては、
赤葦や小春ちゃんの
"切ないことばかり"の恋が
たまらなかったのだろう。
『エリ…お前が泣いてまで
全部につきあわなくていいよ?
時々、相談相手…っていうか
話し相手になってくれるだけでも
きっと心強いはずだからさ。』
と心配した俺に、
エリは、涙を拭いて言った。
『ううん、
あの二人は、私に足りないものを持ってる。
大事なもののために
我慢したり耐えたりするって
私、避けてきたもん。
どうなるかは二人次第だけど…
私はちゃんと、最後まで見守る。
あの二人が泣いてないのに
私が泣くのはおかしいもんね。
応援団は、力強くなくちゃ。』
その言葉通り、
エリは、二人の前ではいつも
頼れる姉御で、明るい花で
仲間のバランスの中心のような
存在でいてくれた。
…俺と二人になると、
時々、社会の理不尽に腹をたてたり
二人の決断に涙を流したりもしてたけど。
そんなエリの姿をみるたび、
『赤葦が自分の人生をかけて
小春ちゃんと生きていこうとするくらい、
俺も、エリを幸せにしなくちゃな。』
と思わされて、
それは、近い将来訪れるであろう
結婚、というものになる、と
なんとなく、思っていた。