第19章 Marry me !!

俺らと遊んでるときは
今でも
高校時代と同じ感じなんだけど、

実際、社会人としての赤葦は、
大会社の跡継ぎ候補の一人、
仕事も大きなプロジェクトを任され、
責任もあれば人目もある。
時間的にはもちろん
気持ち的に眠れないことも多いらしく、

俺が今、住んでいる家に
時々立ち寄っては
仮眠をとっていったりしていた。

一人になりたい、
でも、人の気配が欲しい。

知らない人の前では無口、
でも知り合いの前では気を使う、

そんなアンバランスな男が、
俺らの弟分、赤葦。

その赤葦が

『木葉さん、
こんなこと言うと笑われると思うけど…
俺、マジで、彼女の膝枕だと、
すっげー気持ちよく深く眠れるんです。
安らぎ、って言葉の意味を
初めて理解できた気がする。』

と言った時は、
俺までキュンとした。

笑わねーよ。
お前、
外じゃ、孤独な王子様だから。

家族も複雑だし、
敵も味方もごっそりいる。

『いずれ、親が決めた相手と
結婚することになるんだから
恋愛はしないことにしてます。
中途半端は相手を傷つける。』

と言ってた赤葦が、

ここに呼びたい、膝枕…

小春ちゃんとの出会いは、

俺とエリの人生…結婚にも
影響を与えたんだ。